予防接種

予防接種について

ワクチンの役割予防接種は、細菌やウイルスなどの病原微生物からつくったワクチン(抗原物質)を接種することによって、生態の持つ免疫反応を利用して効果を発揮します。ワクチン投与によって特異的な免疫反応を誘導し免疫をつけ、特定の病気に罹りにくくするほか、万一その病気に罹ったとしても軽症で済むなどが期待されます。これまで多くのワクチンが投与され、私たちの生活に大きな恩恵を与えてくれています。 予防接種 厚生労働省ポスター2

風しん予防接種

厚生労働省および中央区の風しん追加的対策事業

風しんおよび先天性風しん症候群対策としての風しん抗体価検査・予防接種の受付も行います。
詳しくは下記の各ページをご覧ください。

麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)

関東を中心に平成30年7月頃から風疹が流行しています。風疹は妊婦さんにとって非常に問題となる感染症です。妊娠初期に妊婦さんが風疹にかかると胎児に影響して心疾患、白内障、難聴などの先天性風疹症候群になる可能性があります。風疹に罹ったことが無い場合や風疹の抗体が低い場合、妊娠したい女性はもちろんその周囲の人にもワクチン接種が勧められています。昭和54年4月以前に生まれ以降の男性は風疹ワクチンを一度も接種していない可能性があります。

日本では平成27年に麻疹(はしか)の排除状態であることが認定されましたが、海外からの輸入例のため、成人の麻疹が増えています。麻疹ウイルスの感染経路は、空気や飛沫や接触で感染します。その感染力は非常に強く免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。麻疹の合併症としては肺炎があり、まれに脳炎になることもあります。昭和52年4月以前に生まれの方は男女ともに麻疹ワクチンを受けていない可能性があります。

麻疹、風疹とも効果的な治療はなく対処療法が中心となります。予防接種が最も有用で接種することによって、95%以上の人がウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。副反応として多いのが発熱です。また1週間前後で発疹を認めることもあります。その他に、鼻汁、注射部位の紅斑、硬結などがあります。

風疹は、麻疹はともに排除が望ましい感染症であると言われています。厚生労働省は、2020年までに風疹排除の達成を目標にしています。現在は、風疹や麻疹の単独ワクチンではなく麻疹風疹混合ワクチンを接種することが中心となっています。この混合ワクチンを接種することにより同時に二つの感染症の予防対策になります。WHO(世界保健機関)は、ウクライナ、インド、ブラジル、フィリピンなどでは依然として多くの麻疹の発症があると報告しています。厚生労働省は、アジアやアフリカ諸国への渡航の際、麻疹の感染の既往が無い場合や予防接種を受けたことが無い場合にはMRワクチンの接種を勧めています。

尚、麻疹風疹混合ワクチンは生ワクチンであり妊娠中の方(あらかじめ約1ヶ月間の避妊)は接種できません。また、接種後、2ヶ月間は避妊が必要です。

風しんの予防接種で未来の赤ちゃんを守れます

中央区の風しんの追加的対策について

中央区の風しんの追加的対策について、当院にて抗体価検査・予防接種の受付を行います。
詳しくは下記の各ページをご覧ください。

先天性風しん症候群の対策として無料で風しん抗体検査や予防接種が受けられます。 詳しくは以下の中央区のホームページを参照して下さい。

これまで公的な風しんの予防接種を受ける機会がなかった世代の男性を対象に、風しん第5期予防接種が定期化されました。

帯状疱疹ワクチン(水痘ワクチン)

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、水痘(水疱瘡)の原因である水痘帯状疱疹ウイルスに感染して発症します。はじめは水痘を発症し、水痘が一旦治った後、後根神経節と呼ばれる部位に、この水痘帯状疱疹ウイルスが潜伏することになります。しかし、ストレスや疲れなどが免疫力が低下した契機にこのウイルスに対する抵抗力が低下すると、数十年の年月を経て水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化して、帯状疱疹を起こします。帯状疱疹の発症は50歳から増加し、80歳までに約1/3が発症し、再発率も36%といわれています。また、帯状疱疹の合併症である帯状疱疹後神経痛は3か月以上も続くことがあり、80歳以上では約1/3が合併するともいわれています。

ワクチンの種類 ビケン(生ワクチン) シングリックス(不活化ワクチン)
接種回数 1回 2回
接種方法 皮下注射 筋肉内注射
有効性 50才台:69.8%
60才以上:51.3%
50才以上:97.2%
70才以上:91.3%
持続性 5年程度 10年程度
副反応

注射部位の発赤、掻痒感、熱感、疼痛、硬結、倦怠感等

注射部位の疼痛、掻痒感、熱感、腫脹、発赤、胃腸症状、頭痛、筋肉痛、疲労、悪寒、発熱、倦怠感等

その他

免疫機能に異常がある、または免疫抑制をきたす治療を受けている場合は接種出来ない

助成額 4,000円/回 10,000円/回

予防接種が唯一の予防法

帯状疱疹の発症を予防する唯一の方法がワクチン接種で、アメリカ合衆国では帯状疱疹ワクチン接種は義務づけられています。現在、国内では乾燥弱毒生ワクチン(ビケン)と乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の2種類があります。海外製の水痘生ワクチンは、発症予防効果が60歳台で64%、70歳台で41%、80歳台で18%とされています。日本でも厚生労働省から水痘ワクチンを帯状疱疹予防の目的で50歳以上の成人に接種する勧告ありました。水痘生ワクチンは、その有効性は期待でき費用も安く副反応も少なく特に60歳台では有用と思われます。一方、シングリックスの国際共同第Ⅲ相試験では、その予防効果が50歳以上で97.2%、70歳以上で91.3%、4年目の有効率は93.1%と報告されています。さらに、高齢者に対しては発症予防効果や帯状疱疹後神経痛に対する効果は有意であるとの意見もあります。

肺炎球菌ワクチン

肺炎とは細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に感染して炎症を起こしている状態です。これは呼吸器の防御機能が病原微生物を排除できなかった場合、病気やストレスなどにより免疫力が低下している場合など、感染力が防御力を上回った際に、病原微生物が上気道から下気道、そして肺にまで入り込んで感染して最終的に肺炎となるのです。とくに肺炎は、高齢者の方や基礎疾患を持っている方などにかかりやすく、しかも治りにくいという特徴もあるため、ワクチン接種は65歳以上の高齢者には強く推奨されており、また心筋梗塞や狭心症などの心臓の病気、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器の病気、糖尿病、腎臓の病気などの持病を持っている方、脾臓摘出を受けた方などにも推奨されています。肺炎の原因菌で最も多いのが、肺炎球菌(大人の肺炎の20~40%は、この菌が原因と言われます)です。ワクチンを接種すれば肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防や重症化を防ぎます。肺炎球菌ワクチンは、接種してから抗体(免疫)ができるまで、約3~4週間かかります。 接種した部位が赤くなったり、腫れたり、熱を持ったり、痛みがでたりしますが、通常5日以内には治まります。

また、インフルエンザワクチンの接種を併せて行うと、肺炎予防の強化につながります。そのため、肺炎予防には、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの併用接種が推奨されています。

高齢者肺炎球菌定期予防接種について受付を行います。
詳しくは以下をご参照ください。

インフルエンザワクチン

インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症をインフルエンザと言います。同ウイルスに感染すると1~3日くらいの潜伏期間を経て発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。併せて普通の風邪と同じように、喉の痛み、鼻水、咳などの症状も見られます。高齢者や基礎疾患をもつ方では肺炎を併発するなど、重症化することがあります。インフルエンザを予防する有効な手段のひとつに流行前のワクチン接種があります。毎年少しずつ性質を変えるインフルエンザウイルスは、異なるタイプが流行しますので、それに対抗するためにも、予防接種は毎年行う必要があります。接種してから効果が出るまでに2週間ほどかかりますが、その効果は約5ヵ月間持続すると言われています。

2020年は10月1日よりインフルエンザ予防接種を開始します。

インフルエンザ予防接種の料金(税込み)

13歳上が4000円、
13歳未満が1回3000円(2回で6000円)
となります。
ご希望の方は現在、お電話にてご予約を受けています。

tel:03-5542-0737

ご理解とご協力をお願いいたします。

厚生労働省から季節性インフルエンザワクチン接種時期ご協力のお願い

新型コロナウイルス感染症の流行が懸念される中、この冬に向けてインフルエンザワクチンの需要が高まる可能性があります。今年は過去5年で最大量(最大約6300万人分)のワクチンを供給予定ですが、より必要とされている方に、 確実に届くように、ご協力をお願いします。

予防接種後の注意点について

予防接種終了後30分程度は、接種を受けた医療機関にそのまま留まるか、医師とすぐに連絡が取れるようにしておいてください。接種部位に異常な反応が現れたり、体調に変化が生じたりしたような際は、速やかに医師の診察を受けてください。また、接種部位は清潔を保ち、接種後24時間以内は体調が変化する怖れがありますので、過激な運動や過ぎた飲酒は控えるようにしてください。

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